大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)85 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人の上告理由一および二について。

所論は、上告人が被上告人に差し入れた証拠金は、D繊維商品取引所の受託契約

準則所定に照して極めて僅少であり、従つて、受託買付商品の相場の値下りにより

従前差し入れた証拠金の不足を来すとの理由で追加証拠金を差し入れるという関係

も起らない筈であるから、原判決が、右証拠金差し入れの事実を理由に上告人が被

上告人に委託した本件取引を右受託契約準則による取引と解すべきものとしたのは、

理由の不備または齟齬の違法があるというのである。

しかしながら、上告人が被上告人に対し、綿糸、人絹各二〇枚取引額二、三七六、

九〇〇円の委託買付の証拠金としてE産業株式会社の株式一、〇〇〇株を差し入れ

たこと、右株式が一〇八、二九二円で処分されたことは原判決の認定するところで

あるから、右証拠金が上告人主張の受託契約準則所定の最低限度である約定値段の

一〇〇分の五に若干不足するとしても、なお、原判決が、右証拠金の差し入れその

他原判決所掲の証拠によつて、上告人が被上告人に委託した本件取引が右受託契約

準則に従う取引であると判断したのは相当であり、原判決に所論の違法はないから、

論旨は採用できない。

同上告理由三について。

所論は、原判決は被上告人が上告人に対し追加証拠金の差し入れを請求したと認

定したが、その証拠が十分でなく、ことに具体的な金額を指示した請求である旨の

証拠がないから、理由不備であるというが、原判決所掲の証拠によればこの点に関

する判示の事実を認めることができ、右認定事実は判示結論の理由として十分であ

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ると解すべきであるから、論旨は採用できない。

同上告理由四について。

所論は、判断遺脱をいうが、原判決は、所論所掲の証拠に判断を加えているのみ

ならず、繊維商品の相場の下落が、所論の主張するように昭和二八年四月一日から

であつたとしても、原判決の結論は変らないから、所論は判決に影響を及ぼさない

法令違反を主張するものとして、採用に値しない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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